品質

品質ってなんだろう?品質が良いとは?

ちょうど1年前、スマートフォンを題材に、同じタイトルで、どういう状態だと品質が良いと思うか、という切り口で投稿しました。

1年経って、品質の定義が変わった、ということはないのですが、改めて考えてみたいと思います。

普段生活していて「この商品(サービス)は品質がいいな~」って思うことってありますか?残念ながら、あまりないですよね。少なくとも、私はそういう感想を持つことはほとんどありません。

「この商品(サービス)の品質は悪いな~」って思うことはどうでしょう?私はあります。

さて、この違いは何でしょう?たとえば、以下のような感じでしょうか。

  • 駅のホームで新幹線を待っているとき、定刻通りに乗れても「当たり前」、10分遅れで乗れたら「なんだよ!遅れるなよ!」
  • 自動販売機で150円のペットボトルを1000円札を投入して買ったとき、500円玉1つ+100円玉3つ+50円玉1つのお釣りが出てきて「当たり前」、100円玉8つ+10円玉5つのお釣りなら「えぇ~。いやだな~」、お釣りの金額に不足があったら「ふざけんなよ!」

そう。時間通り、期待通りに動く、つまり設計通りに動くことは「当たり前」と思われてしまうんですよね。逆にそうではない場合に、とても強い不満の感情を持ってしまう。

不満の感情の反対って「当たり前」なんでしょうか?不満の反対語は「満足」です。これは簡単ですね。満たされていないか、満たされているか、です。

あることで満たされていない人が、初めて満たされたときに「感動」したり「喜んだり」する。でも、慣れてしまえば、それは「普通なこと」、「当たり前なこと」に変化してしまう。この変化が品質を考える上で重要な要素だと思うのです。

冒頭の「この商品(サービス)の品質がいいな~」って思うことはないと書いた件、「この商品(サービス)、すごいな~(うれしいな~)」って思うことはないですか?と聞かれたら、いかがですか?私はそういう感想を持つことは時々あります。

  • 初めてコンビニエンスストアでカップのコーヒーを買ったとき、その味の良さに感動しました
  • 初めてSuicaを使って電車に乗ったとき、切符を買わなくても良い便利さに感動しました
  • 初めて電気自動車を運転したとき、そのアクセルレスポンスの良さと加速性能の高さに感心しました

共通するキーワードは「初めて」ですね。変化しない商品やサービスには、人はなかなか感動できない。どれだけ故障しなくても、どれだけ正確に動作し続けても、それは当たり前だからです。

だから、商品やサービスは常に変化していかなければならない。車もずっと同じではなく、モデルチェンジをしていくわけです。スマートフォンも、パソコンのOSもそうですね

※「手に馴染む良さ」のように「初めて」以外の要素もあると思いますが

私たち品質を生業とする技術者は、ついつい「故障しないこと」、「バグがないこと」、「正しく動くこと」ばかりに目が行きがちですが、「感動できること」「嬉しく思わせること」にも、もっとフォーカスすべきだと思います。そのためにも、お客様や市場をよく知る必要があります。時には自分自身を顧客として位置付けて分析し、本当に感動できるか?嬉しいか?と自問自答してみるのも良いでしょう。

日本品質といったときに、正確性、故障しないこと、バグのないこと、といった意味だけでなく、「魅力的」「感動」といった要素が、当たり前に思い浮かぶようにしていきましょう。