品質

因果を読み解け!

この富士山の写真を見て、何を感じますか?

  • キレイだな~
  • わぁ、逆さ富士だ~
  • 空も富士も川面も、全部青だな~

こういうのは「感性」ですね。とても大事です。

  • 稜線がくっきりとしているな~
  • 水面におぼろげに富士山が映っているな~
  • 富士山の表面には意外と谷があるんだね~
  • 雲がチョーカーのように富士山を取り巻いているな~

これらだとしたら、写真から分かる「事実」を読み取っていますね。

品質に携わる技術者には、「感性」も「事実を読み取る力」も重要ですが、もうひとつ、そこから踏み込んで、「どうしてそうなっているかを想像する力(読み解く力)」も必要です。

どうしてだと思いますか?

自分の担当している製品がお客様先で何らかの理由で止まってしまったら、その原因を突き止めて、それがバグだったら、そのバグを直しただけでOKではないですよね。その「バグを作り込んだ原因」、および、「バグをテストで見逃した原因」に手を打たないと、同じようなバグがまた作られるでしょうし、テストでも見つけられない、ということになります。

では、その原因はどうやって見つけますか?タイムマシンで過去に遡って、実態を観察する、というのは、現在の科学ではまだできないので、様々な作業を積み上げて作られた生産物(プログラム本体、設計書、要求仕様書など)や作業者へのヒアリングなどから、読み解かなければなりません。具体的には、仮説を立て、裏付けを採り、合意する、という流れになります。科学者が仮説を立て、実験で証明し、論文を提出して査読される、という流れに似てますね。

では、この写真から、なにを読み解けるでしょうか。以下、例をあげます。

  • 稜線がクッキリ見える、ということは、空気中のチリが少ない。つまり、この数日の間に台風などの強風が吹く日があった
  • 水面にクッキリではないけど、富士山が映っているから、撮影者の周りでは風が弱く吹いている
  • 富士山の谷が見えるということは光の入射角度が低いと思われるので、この写真は朝か夕方撮られたものだ
  • チョーカーのような雲が標高2000mくらいにかかっているので、湿度は比較的高い(標高2000m位の気圧で結露してしまうことから)
  • チョーカーのような雲が薄いということは、湿度の高い空気の供給量が少ない、つまり富士山近辺の風も、それほど強くない
  • チョーカーのような雲が右が厚く、左は薄い、ということは、風は右から来て左に抜けている

いかがでしょうか。あなたは何を読み解けましたか?空が青いのはレイリー散乱のせいだ…なんてのは、この写真から分かる事実からでは飛躍し過ぎですヨ。